
狭小住宅は、土地の大きさからできる都市型狭小住宅と、用途地域などの法律からできる郊外型狭小住宅がある。前者の狭小住宅は、土地を購入する前から狭小になると、イメージができるが、後者の場合は、土地に対する法律から最大ボリュームが決められるので、一般の人ではなかなか想像が難しい内容だと思われる。建ぺい率や容積率、高さ制限や外壁後退など、様々な法令によって建物の設計に影響する。
郊外には、規制を厳しくして敷地に対して大きな建物を、建設させないようにして、その地域の都市計画に沿って、閑静な住宅街にする事などの取り組みをしているので、敷地購入前にはどれくらいの建物が建てる事ができるかは、必ず確認をしておく必要がある。
そのような建ぺい率や容積率の規制の厳しい地域で狭小住宅の設計をする場合、建物が建たないスペースの活用方法が、暮らしにとっては重要な役割を果たす。
今回のアイディアは、隣地境界線の周囲にプライバシー性の高い塀を建て、建物は細長いボリュウムとして、北側にできる限り寄せて配置する。その事で生まれた南側の庭と室内を繋げ、開放感を演出する事ができる関係性を構成する。
実際の室内空間は、建ぺい率や容積率で小さい空間しか作る事ができないが、窓を大きく取る事で、実際に感じる空間の大きさは、数字以上の体感を期待できる。
狭小住宅の原因を理解して、その内容を上手く操作する事によって、その場所に適切なアイディアを作り上げていく事が狭小住宅には必要とされる。都市型狭小住宅や郊外型狭小住宅でも豊かな暮らしは十分に可能である。
郊外の狭小住宅では、都市中心部とは異なり、隣地との距離や道路、駐車、庭との関係が設計の大きなテーマになる。建物内部の面積だけでなく、外部空間をどのように取り込むかによって、実際の暮らしの広がりは大きく変わる。
中庭や小さな外部スペースは、採光や通風のためだけでなく、室内の視線を遠くへ伸ばす役割も持つ。敷地全体を一つの住環境として捉えることで、狭小住宅でも閉塞感を減らし、地域との適度な距離をつくることができる。
